5領域の支援 総合的な支援について

ぴあにしもが提供する発達支援は ①健康・生活 ②運動・感覚 ③認知・行動 ④言語・コミュニケーション ⑤人間関係・社会性の5領域

発達支援、本人支援は、ハンディキャップのある子どもの発達の側面から、心身の健康や 生活に関する領域「健康・生活」、運動や感覚に関する領域「運動・感覚」、 認知と行動に関する領域「認知・行動」、言語・コミュニケーションの獲 得に関する領域「言語・コミュニケーション」、人との関わりに関する領 域「人間関係・社会性」の5領域にまとめられるが、これらの領域の支 援内容は、お互いに関連して成り立っており、重なる部分もある。 また、この「本人支援」の大きな目標は、障害のある子どもが、将来、 日常生活や社会生活を円滑に営めるようにするものである。

(ア)健康・生活

a ねらい

(a)健康状態の維持・改善

(b)生活のリズムや生活習慣の形成

(c)基本的生活スキルの獲得

b 支援内容

(a)健康状態の把握

 健康な心と体を育て自ら健康で安全な生活を作り出すこと

を支援する。また、健康状態の常なるチェックと必要な対応

を行う。その際、意思表示が困難である子どもの障害の特性

及び発達の過程・特性等に配慮し、小さなサインから心身の

異変に気づけるよう、きめ細かな観察を行う。

(b)健康の増進

睡眠、食事、排泄等の基本的な生活のリズムを身に付けら

れるよう支援する。また、健康な生活の基本となる食を営む

力の育成に努めるとともに、楽しく食事ができるよう、口腔

内機能・感覚等に配慮しながら、咀嚼・嚥下、姿勢保持、自

助具等に関する支援を行う。さらに、病気の予防や安全への

配慮を行う。

(c)リハビリテーションの実施

 日常生活や社会生活を営めるよう、それぞれの子どもに適

した身体的、精神的、社会的訓練を行う。

(d)基本的生活スキルの獲得

 身の回りを清潔にし、食事、衣類の着脱、排泄等の生活に

必要な基本的技能を獲得できるよう支援する。

(e)構造化等により生活環境を整える

 生活の中で、さまざまな遊びを通して学習できるよう環境

を整える。

また、障害の特性に配慮し、時間や空間を本人に分かりや

すく構造化する。

  

 

  • 音楽療育を通して、挨拶や時間のきりかえなどのトレーニングをします。
  • クッキング、おやつの時間を通して食育や行儀、礼儀を身につける支援をします。

  • 排泄については、トイレトレーニングをしています。

  • 生活面については、身の回りの整理整頓、衣服や靴の着脱、管理

  • 構造化を意識した視覚支援、スケジュールの提示を行います

 

(イ)運動・感覚

a ねらい

(a)姿勢と運動・動作の向上

(b)姿勢と運動・動作の補助的手段の活用

(c)保有する感覚の総合的な活用

b 支援内容

(a)姿勢と運動・動作の基本的技能の向上

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日常生活に必要な動作の基本となる姿勢保持や上肢・下肢

の運動・動作の改善及び習得、関節の拘縮や変形の予防、筋

力の維持・強化を図る。

(b)姿勢保持と運動・動作の補助的手段の活用

姿勢の保持や各種の運動・動作が困難な場合、姿勢保持装

置など、様々な補助用具等の補助的手段を活用してこれらが

できるよう支援する。

(c)身体の移動能力の向上

自力での身体移動や歩行、歩行器や車いすによる移動など、

日常生活に必要な移動能力の向上のための支援を行う。

(d)保有する感覚の活用

保有する視覚、聴覚、触覚等の感覚を十分に活用できるよ

う、遊び等を通して支援する。

(e)感覚の補助及び代行手段の活用

保有する感覚器官を用いて状況を把握しやすくするよう眼

鏡や補聴器等の各種の補助機器を活用できるよう支援する。

(f)感覚の特性(感覚の過敏や鈍麻)への対応

感覚や認知の特性(感覚の過敏や鈍麻)を踏まえ、感覚の

 

偏りに対する環境調整等の支援を行う。

  • 音楽療育の中で、ダンスやリズム運動など楽しい体験をしながら感覚の活用を促します。
  • ボクシング選手の指導によるスポーツ大会、元幼稚園体育教諭による運動療育をしています。

  • 音楽療育を通して、イントロクイズなど感覚を向上させる取り組みをします。

  • 聴覚過敏や触覚過敏の児童に対する環境の調整をおこなっています。

  • 積極的に毎日、公園での外遊びをすることで身体能力を向上、体幹を鍛え、免疫力を向上させる支援をします。

(ウ)認知・行動

a ねらい

(a)認知の発達と行動の習得

(b)空間・時間、数等の概念形成の習得

(c)対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得

b 支援内容

(a)感覚や認知の活用

視覚、聴覚、触覚等の感覚を十分活用して、必要な情報を

収集して認知機能の発達を促す支援を行う。

(b)知覚から行動への認知過程の発達

環境から情報を取得し、そこから必要なメッセージを選択

し、行動につなげるという一連の認知過程の発達を支援する。

(c)認知や行動の手掛かりとなる概念の形成

物の機能や属性、形、色、音が変化する様子、空間・時間

等の概念の形成を図ることによって、それを認知や行動の手

掛かりとして活用できるよう支援する。

(d)数量、大小、色等の習得

数量、形の大きさ、重さ、色の違い等の習得のための支援

を行う。

(e)認知の偏りへの対応

 認知の特性を踏まえ、自分に入ってくる情報を適切に処理

できるよう支援し、認知の偏り等の個々の特性に配慮する。

また、こだわりや偏食等に対する支援を行う。

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(f)行動障害への予防及び対応

感覚や認知の偏り、コミュニケーションの困難性から生ず

る行動障害の予防、及び適切行動への対応の支援を行う。

  • 音楽療育を通して、感覚・認知の能力の発達を促します。
  • 季節の行事にちなんだ工作や絵具、粘土などを使う創作活動や書道体験

  • 年間を通して行っている歌・リズム・楽器による音楽療育をしています。

  • 年齢や特性に応じて、デジタル機器、アイパッドなどのICT機器を活用します。

(エ)言語・コミュニケーション

a ねらい

(a)言語の形成と活用

(b)言語の受容及び表出

(c)コミュニケーションの基礎的能力の向上

(d)コミュニケーション手段の選択と活用

b 支援内容

(a)言語の形成と活用

具体的な事物や体験と言葉の意味を結びつける等により、

体系的な言語の習得、自発的な発声を促す支援を行う。

(b)受容言語と表出言語の支援

話し言葉や各種の文字・記号等を用いて、相手の意図を理

解したり、自分の考えを伝えたりするなど、言語を受容し表

出する支援を行う。

(c)人との相互作用によるコミュニケーション能力の獲得

 個々に配慮された場面における人との相互作用を通して、

共同注意の獲得等を含めたコミュニケーション能力の向上の

ための支援を行う。

(d)指差し、身振り、サイン等の活用

指差し、身振り、サイン等を用いて、環境の理解と意思の

伝達ができるよう支援する。

(e)読み書き能力の向上のための支援

発達障害の子どもなど、障害の特性に応じた読み書き能力

の向上のための支援を行う。

(f)コミュニケーション機器の活用

各種の文字・記号、絵カード、機器等のコミュニケーショ

ン手段を適切に選択、活用し、環境の理解と意思の伝達が円

滑にできるよう支援する。

(g)手話、点字、音声、文字等のコミュニケーション手段の活用

手話、点字、音声、文字、触覚、平易な表現等による多様

なコミュニケーション手段を活用し、環境の理解と意思の伝

 

達ができるよう支援する。

  • 音楽療育の中での言葉あそび、歌を用いた言語療育

  • スタッフ、たてわりの異年齢集団療育でのコミュニケーション力の向上

  • はじまりの会やおわりの会での発表やプレゼンテーション、歌の発表会

  • 地域交流による高齢者や地域社会の方々とのコミュニケーションの場の提供

 

(オ)人間関係・社会性

a ねらい

(a)他者との関わり(人間関係)の形成

(b)自己の理解と行動の調整

(c)仲間づくりと集団への参加

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b 支援内容

(a)アタッチメント(愛着行動)の形成

人との関係を意識し、身近な人と親密な関係を築き、その

信頼関係を基盤として、周囲の人と安定した関係を形成する

ための支援を行う。

(b)模倣行動の支援

遊び等を通じて人の動きを模倣することにより、社会性や

対人関係の芽生えを支援する。

 (c)感覚運動遊びから象徴遊びへの支援

 感覚機能を使った遊びや運動機能を働かせる遊びから、見

立て遊びやつもり遊び、ごっこ遊び等の象徴遊びを通して、

徐々に社会性の発達を支援する。

(d)一人遊びから協同遊びへの支援

周囲に子どもがいても無関心である一人遊びの状態から並

行遊びを行い、大人が介入して行う連合的な遊び、役割分担

したりルールを守って遊ぶ協同遊びを通して、徐々に社会性

の発達を支援する。

(e)自己の理解とコントロールのための支援

大人を介在して自分のできること、できないことなど、自

分の行動の特徴を理解するとともに、気持ちや情動の調整が

できるように支援する。

(f)集団への参加への支援

集団に参加するための手順やルールを理解し、遊びや集団

活動に参加できるよう支援する。

 

  • 箕面市立介護老人保健施設への定期訪問などによる他者との関わりを学びます

  • 地域イベントへの積極的参加、毎日の外遊びで地域の子どもたちとの交流で社会性を学びます

  • ふたつの事業所との交流で異年齢の子どもたちとの交流で集団の中での行動力を身につけます

  • 買い物や公共施設、公共の交通機関などへの体験を通して社会と関わります
  • 音楽コンサート・博物館や美術館・プラネタリウム・城・放送局や工場、各地のイベントへの積極的な参加をします。